わが国の看護師を取り巻く現状の画像

看護師不足、2011年には約56,000人、2015年には15,000人との厚生労働省予測の画像

高齢化が進み、医療が高度かつ複雑になるなかで、深刻な問題として看護師不足の問題が取り沙汰されています。看護師の就業者数は、毎年確実に増えていますが、その限りでは看護師の供給は増加しているとも言えますが、それをはるかに上回る規模で需要が拡大し、それに追いつかないという現状があります。

厚生労働省は2010年8月から9月にかけて、全都道府県に聞き取り調査を実施。2010年11月22日に「第7次看護職員需給見通しに関する検討会」で、11~15年の5年分の見通しを示しました。

それによると、看護職員需給見通しによると、看護職員は2011年に病院で89万9,800人、診療所で23万2,000人のほか、介護保険関連で15万3300人など140万4,300人必要になります。

一方、実際の看護職員は、新卒分が4万9400人、退職後の再就業分で12万3000人増加するものの、退職などで14万4,600人減少する見込みで、就業者は134万8300人にとどまるそうです。

2011年に看護師や助産師などの看護職員は140万人余りが必要なのに対し、実際には135万人弱にとどまり、約56,000人不足する見通しになるのだそうです。

15年には看護師の需要は150万900人まで増えますが、再就業分の増加などで就業者は148万6,000人となり、不足分は1万4,900人まで縮小する見通しだとのことです。

ただ、同省研究班は、「看護職員需給見通しに関する検討会」では、高齢化と医療技術の進歩などで看護職員の需要は高まる中で、2025年には最大199万7000人の看護師が必要となり、約20万人不足するという長期的な需給見通しも提示しています。

看護師の不足問題の原因の根底をなすものには、せっかく看護師の資格を取得し、看護師として働いてみたにもかかわららず、その待遇や労働条件の厳しさから、辞めていく人が非常に多いということが言えます。 看護師は給料の面での待遇は他の職種に比べてもよいといわれていますが、力仕事とも言えるような労働に加わり、夜勤も加わった労働面のハードさが、離職者が多い原因となっているようです。

特に入院施設のある病院では、勤務も24時間体制で臨まなければならず、日勤以外に準夜勤、深夜勤、宿直など2交代制や3交代制によるシフトの中で、生活のリズムが乱れることによるハードさが1番の原因に上げられています。 裁判において、シフト勤務者の過労死の認定基準である月50時間以上の残業時間をこなす看護師の数は、8%近くに上っています(2008年)。また、夜勤回数も、月9回以上の人が半数を占めることが分かっています。

こうしたハードなスケジュールに、体調不良を訴えたとしても、独身のときならば、それでもまだ何とかこなしていくことも可能かもしれません。

しかし、結婚し子供を持つようになると、子供の生活にリズムを合わせながら、夜勤を含むシフトをこなすのは、ほとんど不可能になります。夜勤ができないことを理由に、退職せざるを得ない女性看護師の数は、実に多いと言えます。

看護師の資格は、1度取れば一生持てる資格には違いはありません。それではある程度子供が成長した段階で、再び看護師に戻るかと言えばそうではなくて、いったん離れてしまうと、職場復帰を諦めてしまう人も多くいます。医療技術の目覚しい進歩に、その時代の医療の現場を知らないと付いていけないというのもあります。

2004年には、看護師の資格保有者で、現在看護関係の仕事をしていない「潜在看護職員」は、推定で看護職員の資格を持つ人の3分の1にあたる約65万にも上ったとさえ言われています。

日本看護協会や厚生労働省が割り出したデータでは、全国で毎年約5万人が新たに看護師や助産師など看護職員の資格を得る一方で、毎年約10万人が離職していくという現状もあります。

同省は新卒者の離職防止や、子育てなどで退職した看護職員の再就業の支援を検討し、必要な看護職員の確保策を強化を図っていく予定だそうです。

さらに看護師に離職者が多いことの理由には、勤務の過酷さのほかにも、、女性の社会進出が進んでいなかった時代と変わらず、キャリアを積んでも昇給幅が小さいなどの待遇の問題も掲げられるようです。早い改善が待たれます。

2006年4月の診療報酬改定~病院側の診療報酬から見た看護師の数の画像

看護師の画像

2006年4月の診療報酬改定で入院病棟の看護師配置基準が変更となり、看護師の数が多いほど、病院が受け取る診療報酬が増加する仕組みが導入されました。入院にかかる医療費(入院基本料)も、入院患者に対する看護師の割合が高いほど、病院は多く受け取れることになりました。

この診療報酬改定により、病院の中には、入院基本料の算定の際に、常勤看護師の人数を、実際よりも多く国に届け出て、過剰に診療報酬を受け取るなどの事件も起こっています。

実際に看護師を増員する病院も増え、厚生労働省の「看護師の募集・内定状況調査」(平成18~19年)によると、国立大病院は、募集数を2,400人強から約5,400人に増やすなど、このほかに日本赤十字病院、済生会病院、社会保険病院などにおいても、軒並み募集を増やしています。

看護師は引く手あまたの状態で, 需要は増える一方で、現状ではまず仕事に困るようなことはないと言えます。病床100床あたりの看護職員数を諸外国と比べても、米国では337.2人に達し、少ないと言えるフランスでも108.2人。これに対し日本は66.8人と、先進国の中で最低ランクと言えます(厚生労働省:「OECD加盟国の医療費の状況(2008年)」内におけるOECD資料2006年から)そうでなくとも看護師の人手がほしい病院です。診療報酬の増加も加わって、何としても確保しておきたいのが看護師だといえます。

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